今から30年程前で、昭和から平成に変わったばかりの頃、初めての海外旅行でトルコへ行ってきました。
前回、③ベルガマ遺跡まで紹介しましたので、今回は、世界屈指のローマ都市遺跡である④エフェス遺跡です。
[4日目]
朝食後バスでエフェス遺跡へ向かう途中、聖母マリアの家へ立ち寄る。
聖母マリアの家
こんな所に本当に聖母マリアの家があったのか?と思ったが、聖母マリアが晩年過ごした「聖母マリアの家」(Meryem Ana Evi)とされている。内部にはマリア像が置かれていたらしいが、見学は出来ず、外観のみ撮影。次は、エフェス考古学博物館へ。
エフェス考古学博物館
エフェス遺跡からの出土品約1000点が展示されている。
目玉品は、この後見学するエフェス遺跡のプリタネイオンから出土したアルテミス像。
エフェス(エフェソス)遺跡
ようやく、エフェス遺跡へ。エフェス遺跡は、2つの丘に挟まれた盆地にあり、南から北へ緩やかに下る傾斜地に広がっている。南側の入口から入ると、先ずは、ヴァリスの浴場が見えてくる。
ヴァリウスの浴場
紀元2世紀建造のローマ式浴場。温度の異なる3つの浴室がある。
オデオン
紀元2世紀建造の小さな音楽室。1500人収容可能。議会所としても使用されていた。
バジリカ
国営アゴラの一部を改築して造られた3廊式の教会堂。列柱跡が見られる。
プリタネイオン
かつて聖火が灯されていたエフェスの市庁舎。紀元前3世紀に建設。エフェス考古学博物館のアルテミス像はここに保管されていた。
メミウスの碑
紀元前1世紀のポントスの乱でエフェソスを奪還したローマの独裁官スッラと孫のメミウス の功績を称えた記念碑。
ニケのレリーフ
トラヤヌス帝の泉
紀元1世紀にトラヤヌス帝に捧げるために建設された泉。当時は正面にため池があり、そこに据えられたトラヤヌス帝の像の足元から水が流れ出ていたらしい。
クレテス通り
セルススの図書館まで続く、エフェスのメインストリート。
スコラスティカの浴場
クレテス通りを降りていくと右側にある。紀元1世紀に造られた公衆浴場。
ハドリアヌス神殿
スコラスティカの浴場の直ぐ近く。紀元2世紀のローマ皇帝ハドリアヌスに捧げられた建物。正面の装飾が美しい。奥の門には両手を広げたメドゥーサが彫られている。
セルススの図書館
クレテス通りの突き当たりにある、エフェス遺跡のハイライト的建物。
紀元2世紀初頭、エフェスを首府とするアジア州総督のセルススの功績を記念して息子が建てた図書館。1万2千巻の書物が収蔵されていたらしい。
建物正面には、知恵、運命、学問、美徳を象徴する4体の女性像が並んでいる。
図書館横には、怪しげなトンネルの入り口が…。娼婦の館へと繋がっているようだ。
娼婦の館への案内敷石
セルススの図書館から大劇場にかけては、大理石が敷き詰められたマーブル通りが続いているが、その途中にある謎の案内図。娼婦の館へ案内するためのものとも言われている。
娼婦の館
マーブル通りとクレテス通りの交差点近くで、セルススの図書館の向かい側という絶好のロケーション(一等地?)。神聖な図書館の近くに、道路1本隔ててこんな建物があったとは…。当時の人達は、図書館へ研究に行くとか言って、図書館横のトンネルを通り、こちらに行っていたのだろうか(笑)?
大劇場
マーブル通りを歩いて行くと、右手に見えてくる。紀元前3世紀に建築された、約2万4千人を収容可能な3階建てのトルコでも最大級の円形劇場。
音響効果も抜群で、今でもコンサートに使われている。
アルカディアン通り
大劇場でマーブル通りを左折すると、エフェス港まで繋がる別名ハーバー通り。当時、すぐ近くに海があったが、海岸線はずっと先に移動してしまい、現在では全く海は見えない。クレオパトラもエジプトのアレクサンドリアを出港してエフェス港に上陸し、この通りを歩いたようだ。
アルカディアン通りを途中で右折し、北側出口付近から大劇場を望む。大劇場の全体が収まる撮影スポット。
アルテミス神殿跡
エフェスの主神、アルテミスに捧げられた神殿。エフェスの都市遺跡群から少し離れた所にある。紀元前3世紀には、アテネのパルテノン神殿を凌ぐ大神殿が立ち、高さ19m、直径1.2mのイオニア式円柱を127本ももつこの神殿の壮大さは、古代世界の七不思議の一つだった。今では、柱1本しか残っておらず、神殿の悲哀さを物語っている。
次は、「白き綿花」の城と呼ばれる石灰岩の岩棚の広がるパムッカレへ(続く)。
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