「古事記」のイザナギ(夫)・イザナミ(妻)の国生み神話では、7番目に生んだ島とされ、江戸時代には金山の島として栄えた日本最大の離島、佐渡。島内各地には、自然豊かな景勝地や歴史的スポットなど多彩な魅力が詰まっており、自然と歴史が織りなす温暖な理想郷!そんな佐渡を2泊3日のツアーで楽しんできました。
第5回目は、真野地区にある「尾畑酒造」での日本酒の試飲後、大佐渡温泉「ホテル大佐渡」へ向かい、夕食の後に夜の幻想的な④「北沢浮遊選鉱場」のライトアップを観賞します。
小木地区でたらい舟と高速モーターボートに搭乗した後は、バスで海岸線に沿って北上し、真野地区にある「尾畑酒造」へと向かう。
途中、変わった岩を発見。右側の黒い岩の表面に、白い鉱物が網目模様を作っている。この辺りには潜岩(くぐりいわ)と呼ばれる同様の網目模様の岩があり、海底火山の噴火で流れ出た溶岩が海中で固まったものとされている。
尾畑酒造
尾畑酒造は、明治25年(1892)創業で、「真野鶴」は日本最高峰全国新酒鑑評会において栄えある「金賞」を2001年より通算10回の受賞。また、エールフランスのファーストクラス機内酒として搭載されるなど世界に認められた実力派の蔵元。
中に入ると、フランスの日本酒品評会「kura Master(クラマスター)」の純米大吟醸部門で最高賞のプラチナ賞を獲得した「真野鶴 純米大吟醸原酒」、関東信越国税局酒類鑑評会で「優秀賞」を受賞した「真野鶴 万穂」などが誇らしげに展示されている。
まずはビデオにて酒造り工程の紹介。尾畑酒造がモットーとするのは、酒造りの三大要素と言われる米・水・人に、さらに生産地の佐渡を加え四つの宝の和をもって醸す「四宝和醸」。
プラチナ賞を受賞した酒は、肥料にカキの殻を使い、朱鷺(トキ)と暮らす郷づくり認証米として育てられた酒米「越淡麗」を使用。尾畑酒造の酒造りに対するこだわりが感じられる。
銘酒がずらりと並ぶカウンターには、3種の能面(左から「般若」「翁」「小面」(こおもて:若い女性をあらわす))が飾られ、佐渡伝統の能文化が感じられる空間になっている。
4種類の日本酒の試飲用サーバー。試飲用の小さいコップで何度でも(?)味わえる。①の「真野鶴大吟醸」は、爽やかでフルーティな香りと、華やかで軽快な味わい。②の「真野鶴純米吟醸」は、ライチをほうふつさせる味わいが口の中に含むと優しく広がり淡雪のようにスーっと消えていく。「雪空のむこう」とはなかなか洒落たネーミングセンス!
ここでは、「真野鶴・純米〈鶴〉」を購入する。
尾畑酒造を後にし、大佐渡温泉「ホテル大佐渡」へと向かう。途中、佐和田(冒頭の地図参照)近くにある、真野湾に注ぐ「石田川」。
真野湾に沿って連なる松林「越の松原」。
大佐渡温泉「ホテル大佐渡」
夕刻に、高台に建つホテルに到着。全室オーシャンビューの部屋からは、窓から見える日本海と青空が大きな絵画のよう。
テーブルには、さり気なく誕生日祝いのフルーツと折鶴と色紙が置いてあった。ホテル大佐渡スタッフの心遣いが嬉しい。
ホテル内のレストラン「四季彩」で夕食。
夕食会場へ行くと、テーブルの真ん中に巨大な佐渡沖産「紅ズワイガニ」が一匹ドンと配され、存在感を放っている。その周りに、佐渡名物の漁師料理「烏賊のごろた焼き」、河豚の子の粕漬け、タコ、まぐろ・甘エビ等のお刺身、磯海苔の茶碗蒸しなどが置かれて、海の幸をふんだんに使った和食となっている。
添乗員さんから頂いた手書きのバースデーカードとワインで乾杯!しかし、添乗員さんは絵が上手いなぁ〜。添乗員さんの心配りに感謝!
食後は、ラウンジ賛世渡(さんせっと)でピアノの演奏を聴きながら、「北沢浮遊選鉱場」行きの送迎バスを待つ。ピアノの背後にある大きな絵画は、「羽衣伝説」に登場する天女らしい。能面を被った天女の頭部に何故か後光が差している?
北沢浮遊選鉱場ライトアップ
ホテルから車で約7分のところにある「北沢浮遊選鉱場」。もともとは銅の製造過程で行われていた技術であった浮遊選鉱法を金銀の採取に応用して日本で初めて実用化に成功し、昭和10年代の建設当時は東洋一の規模とされた。現在はコンクリートの構造のみが残る。
アニメ映画「天空の城ラピュタ」に登場する遺構を思わせるとして、観光客に人気が高い。
夜間、LED照明を使って、北沢浮遊選鉱場(国史跡)の色彩豊かなライトアップが実施される。
かつては「東洋一」ともうたわれた近代遺産の象徴が、夜の闇に幻想的に彩どられる。
ライトアップのプログラムは、四季の変化に合わせて変更も予定されているらしい。
近くにある直径50mの巨大なシックナー(濃縮器)も、北沢浮遊選鉱場と共にLED照明によってライトアップされ、浮かび上がる。まるでローマのコロッセオのよう。
入り口近くにある煉瓦造りの発電所。こちらは、まるで幽霊屋敷のようだ。
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