昨秋、日本南端の島々、沖縄・八重山諸島を旅しました。島巡りのターミナルとなる石垣島から、西表島、由布島、竹富島の順に巡り、最後に有人島として日本最南端に位置する波照間島へ。
今回紹介するのは、小さな島全体が「亜熱帯植物園」となっている③由布島です。
西表島で雄大なマングローブの風景を堪能した後は、西表島美原にある「水牛車乗場」へと移動。ここから由布島までは約400mほどしか離れていないため、水牛車というユニークな手段で海を渡る。
既に数多くの水牛車が所狭しと並んでいる。
No.18の水牛車に乗車。車内は思ったよりも広い。
水牛の後姿。直近で見るのは初めてかも。
遠浅の海を渡っている間、水牛が用を足したり気まぐれだったり、何度も停車してしまう(笑)。だが、運転手のあんちゃんが三味線を弾きながら民謡などを唄ってくれ、また地平線いっぱいに広がる景色を眺めていると全く気にならない。
10分程で由布島に無事到着。水牛とあんちゃんに感謝。
由布島は、西表島の与那良川から流出した砂が海流により運ばれ堆積してできた「砂の堆積物」の島。周囲2.15km、海抜1.5mの小さな島で、ゆっくり歩いても一時間ほどで島全体を回ることができる。
島全体が「亜熱帯植物園」となっており、その変わった島の地質や亜熱帯という特有の気候から、多種多様な動植物が生息・生育している。昼時ゆえ、先ずは島の中央部にあるレストランへと向かう。
水牛の碑
途中にある、大五郎と花子を称える「水牛之碑」。水牛は、台湾からやってきた雄の大五郎と、雌の花子が始まりで、現在島にいる水牛はその夫婦の子孫だとか。いつまでも2頭への感謝を忘れないように。
「ハイビスカス」、
「オオアリアケカズラ」、
「マニラヤシ」等の色とりどりの植物を眺めながら、散策路を通過して昼食会場へ。
レストラン
社員食堂のようなレストランには、既に幕の内弁当が用意されている。
幕の内弁当(アカバナ)。中身は下段右から、豚・鴨の沖縄黒糖煮、海ぶどう、野菜の天ぷら、ウムクジー(紅芋を米粉で和えて揚げたもの)、三色ハムカツ。上段右から、野菜の煮物、季節のチャンプル、ヨウカン(黒糖・フルーツ)、季節のフルーツ。それらと、西表島産・黒紫米入りご飯(古代米)とアーサのお吸い物。思ったより品数が多く、それなりに沖縄の食材も有って満足。
食後は、園内を自由見学。
旧校門跡(由布島小中学校の跡地)
由布島はかつて小中学校が存在していたが、昭和44年台風による高潮で島全体が水没し、島ぐるみの移転に伴い昭和45年に閉校。その面影が残っているのが、この旧校門跡。
「気仙沼市」の杭
この杭は、何と、東日本大震災から9年もかけて西表島に流れ着いたもの。東北地方の気仙沼市の杭がここに有るとは驚きである。
マンタの浜
目の前に小浜島が見える「マンタの浜」。
由布島と小浜島の間の海はマンタの通り道となっており、マンタが良く見られる浜であることからこの名がつけられた。なお、「マンタ」とは、エイの仲間のうちで通常2〜3m位の大きな体をしているもの。
透き通る穏やかな波が多くのサンゴを運んで来る。
浜辺の茶屋(由布島茶屋)
浜の近くにある由布島茶屋では、コーヒーやジェラートなどを食べながら海を一望することができる。
由布島の井戸
由布島は砂が堆積してできた島であるものの、地面を1mほど掘ると真水が出てきたそうだ。現在、由布島の井戸は利用禁止となっているが、現在でも真水が出るらしい。
「オオベニゴウカン」、
「マニラヤシ」など南国風の植物を眺めながら、蝶々園へ。
蝶々園
蝶々園は、沖縄県八重山諸島のみ分布している、日本最大級の蝶「オオゴマダラ」を観察できる園。
門の横にさり気なく咲く「ハイビスカス」。
温室内には、「サンダンカ」などの様々な植物が生育している。
7cm程にもなる日本最大級の蝶「オオゴマダラ」。黄金色に輝く蝶のサナギは残念ながら見られず。
他にも、オレンジ色の鮮やかな「スジグロカバマダラ」を観察。
水牛の池
ここは、水牛車を曳く水牛たちが休憩するための場所。
水牛が親子そろって仲良く過ごしている姿や、砂の上で寛いでいる水牛の姿も見られ、微笑ましい。
水牛車待合所
園内入口にある「水牛車待合所」。水牛車の出発時間までここで時間を潰していると、添乗員が「近くで変わったカニを発見した」との事。
行ってみると、鉢と鉢の隙間に、グロテスクなカニが動いている。
「水牛車待合所」には、帰路用の水牛車が並んでいる。一羽のトリも名残惜しそうに飛んで来た。
帰りも水牛に働いてもらって海を渡り、島内バスで西表島の大原港に戻る。
ちなみに、最南端の波照間島には信号機が無いため、大原港の近くにあるこの信号機が「日本最南端の信号機」。
次回は、赤瓦屋根の家々、サンゴの石垣が印象的な「竹富島」です(続く)。
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