自然と歴史が織りなす黄金の理想郷・佐渡の旅(6)

クラブツーリズム

古事記」のイザナギ(夫)・イザナミ(妻)の国生み神話では、7番目に生んだ島とされ、江戸時代には金山の島として栄えた日本最大の離島、佐渡。島内各地には、自然豊かな景勝地や歴史的スポットなど多彩な魅力が詰まっており、自然と歴史が織りなす温暖な理想郷!そんな佐渡を2泊3日のツアーで楽しんできました。

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第6回[ツアー3日目]は、佐渡屈指の断崖の絶景地③「尖閣湾揚島遊園」、古代遺跡のような産業遺産④「北沢浮遊選鉱場跡」、かつて日本最大の金銀山だった⑤「史跡佐渡金山」などを回ります。

f:id:YOSHI88:20220209154714j:plain朝食は、ヘルシーな和食善。佐渡産の新鮮な海鮮物の小鉢が並んでいる。

f:id:YOSHI88:20220209154838j:plain生憎の曇り空だが、ホテルの窓から綺麗な虹が見える。

f:id:YOSHI88:20220209154912j:plain佐渡温泉「ホテル大佐渡」を後にし、断崖絶壁が連なる景勝地尖閣湾揚島遊園」へと向かう。

鬼ヶ城(おにがせ)

f:id:YOSHI88:20220209155010j:plain途中、佐渡の北側の海岸線(外海府海岸)に沿った旧・相川町にある、「鬼ヶ城」(おにがぜ)という岩。鬼が横を向いていると言うより、動物の横顔のようにも見える。

尖閣湾揚島遊園

f:id:YOSHI88:20220213152758j:plain尖閣湾」は、30m級の尖塔状の断崖が約3kmにわたって連なる海岸に広がる5つの小湾の総称。

f:id:YOSHI88:20220213153004j:plain尖閣」という名は、ネット等で調べると、北欧ノルウェーのハルダンゲル・フィヨルドの景観に似ていることから命名されたとある。

f:id:YOSHI88:20220214152125j:plain←ハンダンゲル・フィヨルド

f:id:YOSHI88:20220213153440j:plainが、しかし、「ハルダンゲル」はノルウェーの一地方の名称、「フィヨルド」は「峡湾」の意味で、「ハルダンゲル・フィヨルド」から「尖閣」という名称は導き出せない(笑)。なお、一帯は海中公園となっており、湾内を海中透視船(グラスボート)が周航している。

f:id:YOSHI88:20220213153651j:plainここ「尖閣湾揚島遊園」は、『君の名は』(昭和28年、菊田一夫原作の映画)のロケ地となったスポット。ちなみに、2016年に公開され大ヒットした新海誠監督の劇場用アニメ「君の名は。」と紛らわしいが、全く関係はない。

まちこ橋

f:id:YOSHI88:20220213173557j:plain展望台がある島(揚島)へのつながる橋の名は「遊仙橋」(ゆうせんきょう)だが、映画の吊り橋のシーンに出演したヒロイン「氏家真知子」にちなみ、「まちこ橋」とも呼ばれている。

揚島展望台

f:id:YOSHI88:20220213155543j:plain展望台からは、雄大尖閣湾(外海府海岸)が一望できる。f:id:YOSHI88:20220213155619j:plain海と空の大パノラマが広がる。

f:id:YOSHI88:20220213155932j:plain展望台から続く、この世のものとは思えない様な荒涼たる風景。

f:id:YOSHI88:20220213161342j:plainf:id:YOSHI88:20220213172209j:plain30年程前にトルコで遭遇した「カッパドキア」の風景を思い出した。

カッパドキア旅行記はこちら→

www.sarorun.jp

水族館・資料室

f:id:YOSHI88:20220213162544j:plain尖閣湾揚島遊園内にある水族館&資料室。

f:id:YOSHI88:20220213162712j:plain1階は、尖閣湾近海の海水魚を展示する水族館。2階は、資料館で松竹映画「君の名は」の写真パネルや、明治から昭和初期の民具などが展示されている。見学後は、バスで約10分の所にある北沢浮遊選鉱場跡へ。

北沢浮遊選鉱場跡

f:id:YOSHI88:20220216182139j:plain昨晩のライトアップ時に続き、日中再度訪れた「北沢浮遊選鉱場跡」。北沢浮遊選鉱場は、日本最大の金銀山「佐渡金山」で採掘された鉱石から不用鉱物を取り除く「選鉱」という鉱石処理をするために使われていた施設。

f:id:YOSHI88:20220213180024j:plain1930年代後半、戦時下の大規模な設備投資によって建造されたこの施設は1ヶ月で5万トン以上の鉱石を処理できることから、「東洋一」と謳われていた。

f:id:YOSHI88:20220216182051j:plainしかし、操業開始からわずか20年足らずでその役目を終え、現在は廃墟と化している。

f:id:YOSHI88:20220216184643j:plain階段状のコンクリートの躯体のみが残された巨大な建物の残骸には、草や苔が生い茂り、その荒廃した光景は、まるでジブリ映画の「天空の城ラピュタ」の世界観を漂わせている。

広場

f:id:YOSHI88:20220216185321j:plain広大な跡地の一部には、プールやゴルフ練習場が建設された時期もあったようだ。2010年には広場が整備され、グッドデザイン賞を受賞している。ちなみに、この跡地の入場は無料。有料化して景観をちゃんと守って欲しいものだ。

火力発電所

f:id:YOSHI88:20220213175544j:plain昨夜は幽霊屋敷のように見えたレンガ造の発電所は、日中見ると洒落た洋風の建物に思える(笑)。

シックナー

f:id:YOSHI88:20220213175805j:plain川(濁川)を挟んだ対岸には、昨夜コロッセオのようだったシックナーが見える。

f:id:YOSHI88:20220213180641j:plainシックナーは、昭和15年に完成した直径50mの泥鉱濃縮装置。濁川上流にある間ノ山(あいのやま)搗鉱場から排出された泥状の金銀を含んだ鉱石は、この装置で水分を分離する工程を経たのち、対岸へと送られた。

f:id:YOSHI88:20220213180902j:plain対岸の北沢浮遊選鉱場では、他の金銀原料と一緒に処理されて、精鉱が産出された。

工作工場群跡

f:id:YOSHI88:20220216214938j:plain濁川を挟んだ北沢浮遊選鉱場の対岸に位置し、佐渡鉱山の各施設で使用する機械部品類の製造や修理のために作られた施設。木工工場、鋳造工場、仕上工場、製缶工場、分析所など複数の施設が作られ、昭和27年まで稼働した。

鋳造工場跡

f:id:YOSHI88:20220216215942j:plain「鋳造工場」は、木型工場で組まれた木型を基に作られた鋳型に溶けた金属を流し込み、様々な種類の機械部品を製造する施設。鉄を溶かすためのキューボラ(溶銑炉)も残存しており、キューボラ手前にはコンクリート製の巨大な地下穴がある。

仕上工場跡

f:id:YOSHI88:20220216192814j:plain鋳造工場や鍛造工場などで製造された機械部品は、「仕上工場」で最終的な加工作業が行われた。

「北沢浮遊選鉱場跡」の見学後は、バスで約5分の所にある佐渡金山へ向かう。

史跡佐渡金山

佐渡金山」は、江戸から平成までの388年間に、金78トン、銀2330トンが産出され、かつては日本最大の金銀山だった。開削された坑道は蟻の巣のように広がり、総延長は約400km(佐渡~東京間)に達している。

f:id:YOSHI88:20220215165614j:plain見学コースは、「道遊坑」明治官営鉱山コース(左側)と「宗太夫坑」江戸金山絵巻コース(右側)の2つがあり、右側の江戸コースを選択する。なお、「宗太夫坑」とは江戸初期に開発された手掘り坑道の事。

f:id:YOSHI88:20220213204523j:plain人形を使って、当時の採掘作業を忠実に再現している。これは、「水上輪」と呼ばれる坑内水の汲み上げ作業。

f:id:YOSHI88:20220213204858j:plain坑内に新鮮な空気を送り込む風送り作業。

f:id:YOSHI88:20220213204942j:plain坑内の休息所で「馴染みの女にでも会いてえなぁ」と喋る、有名な「馴染みの女」おじさん!(笑)

f:id:YOSHI88:20220213205801j:plainひ押と呼ばれる手掘り坑道跡。

f:id:YOSHI88:20220213205308j:plain手掘り採掘作業。

f:id:YOSHI88:20220213210101j:plain「やわらぎ」と呼ばれる儀式で、現在も神事で行われている。

f:id:YOSHI88:20220213210509j:plain見学後は、中庭のカフェで売っている「金箔入り珈琲」で一服。

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この後、夫婦岩ドライブインで昼食し、トキの森公園でトキの見学です(続く)。

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