海の京都・丹後半島周遊の旅(天橋立・籠神社・伊根の舟屋・立岩・城崎温泉)〜(7)

クラブツーリズム

今年の初夏、緊急事態宣言が暫く解除された隙を狙って、天橋立のある「海の京都」と呼ばれる丹後半島を周遊する旅を満喫してきました。

f:id:YOSHI88:20211004131436j:plain今回は、文豪・志賀直哉をはじめ多くの文人に愛され、独特の温泉情緒溢れる⑤「城崎温泉」の散策と外湯めぐりです。

琴引浜からバス乗車1時間程で、夕刻時の城崎温泉「東山荘」に到着。夕食まで少し時間があるので、早速、温泉街へと繰り出す。

城崎温泉

f:id:YOSHI88:20211125100032j:plain城崎温泉(きのさきおんせん)は、兵庫県北部の豊岡市城崎町に位置し、開湯1,300年の歴史を持ち、有馬温泉湯村温泉とともに兵庫県を代表する温泉。

f:id:YOSHI88:20211126161651j:plain平安時代から歌に詠まれ、文豪・志賀直哉をはじめ多くの文人に愛された「歴史と文学といで湯の街」。

f:id:YOSHI88:20211125095836j:plain宿泊先の「東山荘」の前を流れる大谿川(おおたにがわ)に沿って、しだれ柳が続く。

f:id:YOSHI88:20211126163348j:plain温泉旅館、大谿川、しだれ柳、石造りの太鼓橋が独特の温泉情緒を醸し出している。

f:id:YOSHI88:20211125152653j:plain城崎温泉には『まち全体が⼀つの⼤きな宿』という考え方が根付いている。言わば「駅は⽞関」その先の「道は廊下」「宿は客室」「⼟産屋は売店」「飲食店は食堂」そして「外湯は⼤浴場」。

f:id:YOSHI88:20211125152924j:plainこれは、自分のお店や旅館に来られたお客様だけでなく、すべてのお客様をまち全体で大切にお迎えしよう、という想い。長年の間、助け合いの精神が息づいているのが城崎温泉街の人々の優しさ・魅力となっているのだろう。

7つの外湯めぐり

f:id:YOSHI88:20211125130811j:plain城崎温泉には、地蔵湯、柳湯、一の湯、御所の湯、鴻の湯、まんだら湯、さとの湯の7つの外湯があり、これらは徒歩20分圏内にあり、歩いてはしごできる距離。外湯の名は、それぞれの由来と歴史に基づいて付けられている。

地蔵湯

f:id:YOSHI88:20211125132937j:plain宿から一番近い外湯が「地蔵湯」。

f:id:YOSHI88:20211125133008j:plain江戸時代、多数の村民が入浴していたことから“里人の外湯”と呼ばれていた。伝説では、この湯の泉源から地蔵尊が出たそうで、ここから、「地蔵湯」という名前が付けられた。

柳湯

f:id:YOSHI88:20211124095900j:plain中国の名勝・西湖から移植した柳の木の下から湧き出たことから「柳湯」と名付けられた。大正ロマン漂う木造の浴場として平成16年2月にリニューアルオープン。

一の湯

f:id:YOSHI88:20211126105126j:plain温泉街中央の「王橋」のたもとにあり、一見歌舞伎座を思わせる桃山風の建物。平成11年11月に改築され、新たに洞窟風呂が加わった。

f:id:YOSHI88:20211126104819j:plain「一の湯」の名前は、江戸中期の温泉学者・香川修徳が当時新湯といったこの湯を「天下一の湯」と推奨したことに由来する。

御所の湯

f:id:YOSHI88:20211126110319j:plain南北朝時代の歴史物語「増鏡」に、文永四年(1267年)に後堀河天皇の御姉安嘉門院が入湯された記事があることから、「御所の湯」と名付けられた。

f:id:YOSHI88:20211126110216j:plain京都御所を彷彿とさせる現在の建物は平成17年7月に「四所神社」横に新築移転された。大浴場のガラス貼り天井や「天空風呂」から見える山や滝の風景が魅力。

四所神社

f:id:YOSHI88:20211126110524j:plain湯山主神(ゆやまぬしのかみ)を主祭神に、多岐里比売神(たきりひめのかみ)、田記津比売神(たきつひめのかみ)、市杵比売神(いちきひめのかみ)の宗像三女神を配し合わせて、四所四神を祀る。いずれも温泉の守護神として崇められ、また宗像三女神は水の守護神でもある。

鴻の湯

f:id:YOSHI88:20211126122948j:plain7湯中最古の湯で、1,400年前の舒明天皇の時代に、コウノトリが足の傷を癒しているのを発見したという開湯伝説がある。山家風の建物で、道の奥に引っ込んでひっそり建っている。庭園露天風呂もある。

f:id:YOSHI88:20211126123042j:plain鴻の湯の伝説

『今から約1400年前、舒明天皇(629年~)の時代、大谿川上流の大きな松の木の上にコウノトリが巣をつくっていました。コウノトリたちのうち足を痛めた1羽が田に降り立って水に足を浸していましたが、数日後には元気よく飛び立って行きました。これを見た里人がコウノトリの飛び立った場所を調べてみると、湯が湧いていました。このお湯が城崎温泉の始まりだといいます。』

f:id:YOSHI88:20211126123013j:plainコウノトリの足を癒やした「鴻の湯」は、不老長寿の湯・幸せを招く湯として多くの人々に親しまれている。また、「鴻の湯」は2羽のコウノトリ夫婦が足の傷を癒した湯だという説もあり、夫婦円満のご利益があるとも言われている。

f:id:YOSHI88:20211126123136j:plain鴻の湯の敷地内にある「鴻の湯神社」は、薬師如来が祀られていた元薬師「円満寺」の跡。

まんだら湯

f:id:YOSHI88:20211126164455j:plain温泉寺開祖の道智上人が「曼荼羅行」で湧出させた湯が源泉だったと伝えられている。その仏縁から「まんだら湯」と名付けられ、建物の頭部に丸みを付けて造形した唐破風(からはふう)様式が特徴的。

f:id:YOSHI88:20211126164538j:plain「まんだら湯」では、裏山の自然美あふれる景色を檜造りの露天風呂から眺めることができる。

さとの湯

f:id:YOSHI88:20211128103356j:plain「さとの湯」は平成12年7月に「城崎温泉駅」のすぐ横にオープンした、外湯の中では一番新しい温泉。

f:id:YOSHI88:20211124100833j:plain三階の天望露天風呂からは円山川が一望でき、二階には和・洋風の大浴場のほか泡風呂・各種サウナがあり、いろいろな入浴が楽しめる。

東山荘

f:id:YOSHI88:20211125102835j:plain「東山荘」に戻ってくると、そろそろ夕食の時間。

f:id:YOSHI88:20211126175452j:plain夕食はカニづくしの和定食。城崎は日本海に近いことから、新鮮な魚介類が揃う「海の幸の宝庫」でもあり、城崎といえばまずはカニ。一般には「ずわいガニ」と呼ばれるカニは、山陰では「松葉ガニ」と呼ばれている。兵庫の地酒「香住鶴」と共に、茹で・焼き・鍋などいろいろな楽しみ方で食する。

翌日[3日目]は、兵庫県豊岡市にある柱状節理が美しい国の天然記念物「玄武洞」と、但馬の小京都と呼ばれる「出石」の観光です(続く)。

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